市民の力にびっくり
厚生委員会で京都市の「こどもみらい館」と、近江八幡市のNPO法人が運営する町家を生かしたデイサービスセンターなどを視察した。どちらも、その運営に携わる市民の力に驚かされた。各委員からの熱心な質問に対して、担当課長やNPO代表者の方からの詳しい説明があり、そのやりとりで時間が足りないほどだった。
京都市子育て支援総合センター「こどもみらい館」は、教育行政と保健福祉行政が一体となり子育て支援サービスを提供している。7年前に33億円かけて、小学校の統廃合跡地に建設された。公立幼稚園5園が統合された「中京もえぎ幼稚園」が併設されている。りっぱな幼稚園になるということで、他の幼稚園が廃止になることに反対はなかったそうだ。1階は就学前の子どもと親が遊ぶ「こども元気ランド」。小学生以上の子ども達は、元校庭といっしょになった広い公園で遊んだり、3階の「子育て図書館」を利用したりしている。
カウンセラーなどによる専門相談、医師による健康相談、研修を受けたボランティアによる電話相談など子育て総合相談が行なわれている。他に多様な子育て講座、幼稚園や保育園の先生たちの研修、また、様々な子育て支援に関する研究も行なわれている。
大きな施設でたくさんの事業を行なっているのに、職員は11人。管理職が6人で事業に携わる職員はたったの5人。運営のほとんどは600人を超えるボランティアにより担われている。毎日30人のボランティアが交代で、電話相談や図書館の読み聞かせ、総合案内などを行なっている。交通費相当額として1回500円の図書券が渡されるだけなのに、なぜボランティアがたくさん集まるのかが私たちの疑問。こどもみらい館がある中京区は100軒単位の町会が多く、町会長が市政協力員として市民新聞を各家に配り、PRがされているということや、高齢化で手の空いている人が多いこと等が理由ではないかと、担当課長は説明する。新しいボランティアにも活動してもらうために、7年以上のベテランボランティアを地域に出て活動してもらうようにしていくことが課題だそうだ。京都市はボランティアを誇りに思う気風があるのだろうか。
近江八幡市は古くからある近江商人の町の佇まいを生かしたまちづくりが行なわれている。140年以上も前の町家をバリアフリーに改装して、「NPO法人しみんふくし滋賀」がデイサービスや泊まりもできる小規模多機能型介護施設などを展開している。文化財のような手延べガラスや柱や天井の家や、ボランティアにより整備された日本庭園のような庭は、お年寄りでなくても、ほっとした暖かい気持ちになる。
近江八幡市の伝統的建造物群保存地区の民家活用の協議、中心市街地活性化事業での近江八幡商工会議所TOM事業による家賃補助、滋賀県高齢者エンジョイ地域活動モデル事業での団塊の世代の活用など、行政や関係機関によるまちづくりとNPOが協働しながら、「市民福祉社会」の実現に向けての歩みがすすめられている。
介護保険事業者として、介護の仕事をきちんと勉強した人には、きちんと報酬を払いたい。若い人がヘルパーとして仕事入ってこれるように、介護報酬を見直してほしいとのこと。精神はボランティア、福祉は営利目的ではできないとがんばる「しみんふくし滋賀」は、滋賀県でコムスンの事業を引き継ぐ。NPO法人が引き継ぐのは全国でもここだけだそうだ。介護保険制度の課題も含めてのお話は大変勉強になった。
市民の力と行政の協働をどうすすめていくのかは、中野の大きな課題でもある。
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